会社概要

ルーツは美濃の武家

日本有数のサーフポイントが連なる千葉県の九十九里浜の最南端に位置し、サーフィンのメッカとも呼ばれる一宮。そして海辺から少し離れた静かな農村地帯に当蔵、稲花酒造は位置しております。

当社はもともと美濃の土岐家に仕えていた武家。約450年前に庄屋として東浪見の地に移り住みました。
そして、米が豊作になったことをきっかけとして、酒造をはじめました。地元の漁師達に振る舞ったその酒は、大変評判が良かったそうです。

当蔵が酒造りをはじめた時期は明確には分かっていませんが、約250年前の江戸の文政年間(1820年代)には酒造業を始めていたことを示す造石申請書が上智大学に残されています。

2つの味わいを両立させる「元祖扁平精米」

近年採用する蔵が徐々に増え始めている「扁平精米(へんぺいせいまい)」。
扁平精米とは精米方法の一つで、一般的には米をサッカーボールのように丸く削りますが、これを球状ではなくラグビーボールのように縦長に削るのが扁平精米です。
この削り方は「等圧精米」とも呼ばれ、米の形と同じ形で削ることで同じ精米歩合でも球状より雑味の元となる成分が少なくなリます。

当蔵、稲花酒造はこの扁平精米を採用した日本初の酒蔵です。
歴史を遡ると、1993年に学会誌に齋藤富男さんが扁平精米に関する論文を掲載しました。しかし、この時点で扁平精米は小試験のデータしかなく、あくまで机上の話。

そこでこの理論を現場で実証するために手を挙げたのが当蔵代表の秋場貴子です。そして、史上初の扁平精米での酒造りは、齋藤先生のご指導の下、見事に成功。
それ以降も、稲花酒造では徐々に扁平精米での酒造りの技術を磨き、現在では当蔵のほとんどの日本酒は扁平精米で醸すようになりました。

もともと稲花酒造の酒は淡麗辛口。しかし、扁平精米の力を借りることで酸味があって甘みも芳醇なビワのようにしっかりと味わって何個も食べたくなるようなお酒造りに方針転換が可能となりました。『味が濃さ』と『キレ味』という、本来相反する二つの味わい。これらを両立できるようになった秘訣が「扁平精米」です。

原料処理に対する徹底的な設備へのこだわり

当蔵に足を運ぶとまず目に飛び込んでくるのは「上総づくり」の煉瓦で建てられた大きな煙突。東日本大震災をも乗り越え、今でも現役で大切に使われています。

さらに目を引く大きな和釜は、3年前の2018年に老朽化に伴い、和釜を使用している蔵を何とか探し出して譲り受けたもの。
実は、この和釜と蔵のシンボルである煙突は、米を蒸した際に水分コントロールに不可欠であり、米の表面を絶妙な固さにすることができ、酒造りに役立っています。当社の杜氏である菅野が「酒を造る技術以上に原料処理が非常に重要」というこだわりゆえです。

鮮明な味わいと芳醇な余韻

当蔵の酒はどれも扁平精米由来と思われるキレがありつつも、鮮やかな余韻が印象的です。クッキリと味の骨格が分かるキレ味とたっぷりとした余韻を十分に楽しんでください。

社長と蔵人が一丸となった理想の酒造りへの飽くなき探求

代表の秋場は東京農大醸造学科を卒業した醸造家です。杜氏の菅野と共に研鑽を重ね続けています。当蔵は『味の濃さ』と『キレ味』という相反する味わいを両立させるという酒蔵にとっての永遠の課題を探求し続けています。
当蔵の味へのこだわりを是非一度味わってみてください。

アクセス

会社名
稲花酒造 有限会社
住所
〒299-4303 千葉県長生郡一宮町 東浪見5841
TEL
0475-42-3134
FAX
0475-42-5799
代表者
秋場 貴子