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カート

カートが空です

ワイングラスに注がれた日本酒

甘い香りに、夜がほどける。

香りは華やかに、
味わいは凛と。

フルーティーな酒

フルーティーな香りがするからといって、甘い酒とは限らない。

りんごや洋梨、熟した果実を思わせる香りがあっても、口に含めばすっきりと切れる酒もある。反対に、香りは穏やかでも、しっかりと甘みを感じる酒もある。香りと、味わいは別のものだ。

稲花のフルーティーな酒にも、華やかな香りがあり、酒そのものの甘みがある。けれど、甘さだけを強くした酒をつくりたいとは思っていない。

香りを強くし、甘さを前に出した酒は、一口目はうまい。鑑評会のように一口で評価される場では、その設計が有利に働く。近ごろは、普段飲みの酒までその方向に寄っている。

けれど、つまみと合わせると、甘さがくどい。杯を重ねると、飽きる。一口目のうまさと、一本飲みきったあとのうまさは、同じではない。

甘い酒と、甘ったるい酒は違う。

口に含んで甘さを感じても、そのあとに米の旨みや酸があり、酒としての味わいが続いていく。そして飲み込んだあとは、甘さをいつまでも残さず、きちんと切れる。

香りが華やかだから、香りだけで飲ませるわけではない。甘みがあるから、甘さだけで飲ませるわけでもない。

香りがあり、甘みがあり、旨みがあり、最後にはキレがある。その全部があって、もうひと口飲みたくなる。

華やかに香る。 甘みはある。 そのうえで、酒として、ちゃんとうまい。

それが、稲花の考えるフルーティーな酒だ。

ひと口で終わらない華やかさがある。飲み終えたあとに、
もう一度思い出す。

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